IT業界で働く人、特に現在プログラマーやSEで活躍している人にとってプロジェクトマネージャーは憧れの職種だ。その立場になれば収入だけでなく仕事のやりがいや充実度が格段に向上する。一方で、あきらかに向かない人が存在するのも事実である。
では、どういう人がプロジェクトマネージャーに向くのか。向いているかどうかを判断する2つの能力がある。
1つ目は、問題を冷静に対処するため、事前にリスクを察知する推察力だ。どんなプロジェクトでも必ずといっていいほど問題は発生する。計画の遅れや、要件の漏れなど問題はどこにでも隠れているため、メンバーからの「順調です」という報告だけを信じずに、常に推測して問題を事前に見つける能力が必要である。
前もって対策まで推定しておくことも求められる。問題を起こしたメンバーを叱り飛ばすのではなく、早い段階で問題の種を発見できる高い推察力を持った人がプロジェクトマネージャーに向いている。
2つ目は、メンバーの立場に立って考えられる共感力だ。1つ目でメンバーを疑うことを述べたが、反対にメンバー目線で考えることも大切だ。
よくある事例として、仕様漏れが発覚した時に、顧客のミスを主張するメンバーに対し「確認を怠った君が悪い」と叱ることがある。
そうではなく、そのメンバーの主張を一旦受け入れ、顧客にクレームを入れるのだ。その上で「あの顧客はいつも漏れがあるから、次は我々で先回りしてチェックしよう」と教えれば、メンバーもやる気を損なわず、漏れを防ぐ行動を自発的にとるようになる。
技術力と管理能力に自信がありプロジェクトマネージャーを目指す人は、これらの2つ、推察力と共感力も求められるのだ。